介護人材サービス『+ホップ』の代表を務めております、山本と申します。
この「恋文」は、日ごろの感謝の気持ちをお伝えすべく、私が一方的にお送りしているもので御座います。
介護でポイ活、、、その理由とは
ホップでは3大福利厚生に「ポイント制度」「会員ランク」「生活サポート」があります。
ポイント制度
ホップで1時間勤務するごと1ポイントが付与され、それを現金還元するという制度です。
貯まったポイントを、1P=1円として「賞与」にて還元させていただいております。
3000Pは「お米」、5000Pは「お肉」のような商品との引き換えではありません。
僕は小さい時から、近所のおじさんから貰う1,000円分の図書カードが意味不明でした。
「使い道を指定されている券」よりも1,000円の方がよっぽど嬉しいからです。
そのためホップでは、そのような子供だましは行っておりません。
会員ランク
ホップでの勤務時間に応じて「ブロンズ → シルバー → ゴールド」とランクアップをしていきます。
するとポイントの貯まり具合が3倍、5倍、10倍となり、最大50倍まで増えていく制度です。
生活サポート
ホップで就業の方は『国内通話無制限・毎月50ギガ』のプランをずーっとご利用いただけるというものです。生活サポートをご利用いただくことで、ご自身の携帯プランを下げることができます。
それにより毎月の支出を抑えることができます。絶対に利用した方が良いのですが、、、あまり認知されず。笑
- ポイント制度 = 「業界初の賞与」であり、日々の時給にプラスαで、所得が上がっていきます。
- 会員ランク = 「明確な評価基準」でして、ランクが上がるという事は賞与や時給がUPと同義。
- 生活サポート = 「支出を下げる」ことに繋がります。所得UPも良いけど、支出DOWNも重要。
ナゼこのような制度を設けているか
それは今の介護業界に対する課題感からです。
低賃金、重労働のようなブラック労働だけでなく、一般企業では当たり前の「評価制度」すらない事業所もあります。
多くの事業所は「長く続けてほしい」と願っているにも関わらず、働く人にとって続けるインセンティブ(動機)がない。
5年10年働く社員よりも、明日入ってくる新人の方が給与が高い。なんてことはザラ。
評価基準がなければ言ったモン勝ちになるのは当然ですし、コツコツ長く働くのが馬鹿らしくなってしまう。
であれば、少しでも良い条件の施設に移ってしまおう。というのが今の風潮です。これに意味がありますか?
だからこそ、ホップでは長く続ける方にとってメリットのある福利厚生を準備しております。
私は、ポイント制度や会員ランクが、全国の派遣会社に広がり、正しく評価される世界を願っています。
スローダウンの価値
すこし前にこんなニュースがありました。
メルカリが数日遅い配達を選べば送料を安くする「ゆっくり宅配」に乗り出す。
米アマゾン・ドット・コムなどが導入している手法だ。
日本の宅配便の取扱数は年間50億個に迫り、運び手が足りない「宅配クライシス」が深刻化している。
速さを競ってきたEC(電子商取引)業界に一石を投じる方針転換だ。
日本の宅配便の約1割、コンビニ発送の約8割がメルカリの出品物だといいます。
これはとてもイイと思いました。
スピードを競うばかりが能ではない。
それほど急ぐ必要もない荷物も多いはず。
僕はメルカリ以外にも広まることを期待しています。
さて、介護現場でもケアのスピードや生産性について指摘する声があります。
「介護は生産性が低い」「もっとスピードを上げることができる」「そうすれば給与は上がる」などの声である。
今回の介護報酬引き上げについても「介護業界の生産性」が議論の目玉になっている。
その際に持ち出されるのがDX(デジタルトランスフォーメーション)やAI化。
ざっくり言うと、頭の良い(悪い)政治家や、現場を知らない(知ろうとしない)コンサルタントが「介護業界って生産性低すぎるっしょ!もっとさぁ、DX化して生産性をガンガン上げちゃえばいいじゃーん!」とおっしゃっています(山本の解釈)。
今回のコラムでは、近年もてはやされているDXやAI化が介護の領域に入り込むことで、これらを解決できるのだろうかという点について述べていきたいと思います。
まず、僕の答えはNO。
その理由は、介護はコミュニケーションが重視されるため画一化やマニュアル化を徹底しようとしても、求められる作業は複雑で多岐に渡るからです。
改めて、介護職が行うケア労働はクリエイティブな職業なんだと感じます。
このイレギュラー要素はどうしても排除できないので、ロボットやAIでは対応できないだろうというのが僕のザックリとした意見である。
みなさんはどう思いますか??
例えば、介護職はマニュアルに則してケアするだけではなく、日々の悩みの相談に乗り、信頼関係を構築し、すこしの変化や体調や心の状態を見ながら、柔軟に、相手の性格やバックグラウンドに合わせてケースバイケースで対応している。
保育や看護も同じ。つまり、介護職は「感情労働」なんです。そりゃ疲れますよね。。。
工場のベルトコンベアでの作業とは違って、相手の感情を無視したらすべてが台無しになってしまいます。
だから介護のような感情労働は一人の職員がケアする人数を2倍、3倍にして生産性をあげることができない。
DXやAIが入り込めない領域がここにはあるのだと。
ただ、一方で勤怠管理や記録業務など「過程」を徹底的にパターン化し、システム化して効率を上げることは可能だと思っている。
各企業はこの部分に取り組むべきだが、「儲け」のために労働生産性を過度に追求してしまうと、最終的にサービスの質そのものが低下してしまうというジレンマもある。
利用者に対するケアや、人とのコミュニケーションには時間をかける必要がある。
ここを効率化やスピードを重視しててはいけないし、何よりサービス受給者(利用者や入居者)がスピードアップを望んでいない。
このように介護の仕事は効率化や機械化をしにくい面が残る。
それゆえに生産性が上がらず労働者の待遇は低いままとなる。
これが介護職の「価値」と「待遇」の極端な乖離を生んでいる。
その乖離を埋めるのが社会保障や公的資金なので、今回の介護報酬引き上げには大きく期待したい。
介護でも効率化できる部分は、DXやAI化を徹底的に進め、感情労働は無理に効率化せず、その価値を重視する社会への移行が大切。
早く・速く・生産的に!と言うだけではなく、今こそ「ゆっくり」に目を向けることも重要なのではないかと思う。
生産性を追わずに、スローダウンすることはオペレーションを緩めるので、ある程度コストを下げ、それがサービスに還元される。
介護のような感情労働・クリエイティブ労働に対して、DXやAIのスピードによる生産性という施策は的外れなのではないかと思う。