ケアマネジャー(ケアマネ)は、介護業界において重要な役割を担っていますが、業務の多忙さや責任の重さから「辞めたい」と感じている人も少なくありません。家庭との両立やプライベートの確保が難しいと感じる場合もあります。
本記事では、「ケアマネを辞めて良かった」と感じる理由や辞めるべきケースや「辞めたい」と感じたときの対処法について詳しく解説します。ケアマネを辞めたいと考えている人は、参考にしてみてください。
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【なぜ?】ケアマネを辞めて良かったと感じた理由
実務経験を積んで介護支援専門員の試験に合格し、気持ちも新たにケアマネとして仕事を始めてみると「こんなはずじゃなかった」と感じ、辞めたいと思う人も少なくありません。
- 仕事量が多い
- 責任が重い
- 覚える知識が多い
- 人間関係が難しい
- 更新研修が大変
- 給料が安い
- プライベートの時間を侵されがち
仕事量が多い
ケアマネの仕事は幅広く、仕事量も多いです。
- 利用者のケアプランの作成
- 定期訪問
- 家族との連絡
- サービス事業者との連絡・調整
- サービス担当者会議の開催
- 主治医との連絡・調整
- 給付管理業務
- 市区町村への書類の提出
直接利用者に関係する業務以外にも、事業所内外の研修会に出席するなどさまざまな業務があります。
日々仕事に追われている場合が多く、緊急事態が起こると随時対応しなければならないため、精神的な負担は大きくなりがちです。実際にケアマネを辞めた人からは、毎日仕事に追われなくなり気持ちが軽くなったという声も聞かれます。
責任が重い
ケアマネの仕事は、利用者の生活に関わる重要な役割を担っています。ケアマネの提案や助言によって、利用者の生活や人生まで変わってしまうケースも少なくありません。
利用者の健康状態や生活の質を維持するために、適切なケアプランを提供しなければならず、責任は非常に重いです。責任の重さに耐えられず、精神的に追い詰められてしまう場合もあります。退職すると、責任の重圧から解放され、精神的な余裕が生まれたという意見も多く聞かれます。
覚える知識が多い
ケアマネは、介護保険制度だけでなく医療、福祉に関する最新の知識を知っておく必要があります。介護保険制度は5年に1回の法改正ですが、その間にも制度が変わる場合はあります。「ローカルルール」と言い、利用者が住んでいる地域によって独自の制度で運営されている場合もあり、地域ごとの情報収集が必要です。
情報を知らないと利用者や家族に不利益を負わせてしまう可能性があり、クレームにつながるケースもあります。覚えるべき内容は増えていくため、学習負担が大きくプレッシャーを感じる場合も多いです。
人間関係が難しい
ケアマネは、利用者や家族だけでなく多くの関係者と関わります。
- 利用者や家族
- 介護サービス事業者
- 地域包括支援センター
- 市区町村の担当者 など
加えて、職場内の介護職員との関わりも必要です。
ケアマネは、利用者と介護サービス事業所の間に入って関係をつなぐ役割もあります。人間関係がこじれて相談されるケースもあり、対人関係のストレスが非常に高くなる場合も多いです。利用者や家族とのトラブルや、職場内での人間関係の問題が重なると、精神的な負担は大きくなります。
更新研修が大変
ケアマネとして働き続けるには、5年ごとにおこなわれる介護支援専門員更新研修を受講する必要があります。ケアマネの専門性を維持するために重要ですが、現場で働くケアマネにとっては大きな負担です。
研修時間は32時間から88時間と幅があり、個人の条件や実施団体によって異なります。通常業務をおこないながらの参加になるため、研修中でも利用者や介護サービス事業所からの連絡に対応しなければなりません。一日でも欠席すると更新できないなど、厳しい条件を設ける団体も多いです。
研修費用は数万円にのぼり、職場が負担してくれる場合もありますが、全額自己負担となるケースも少なくありません。筆者の場合は、交通費や研修費をすべて自己負担し、オンライン1日と会場での5日間、計6日間の研修に参加しました。研修前には複数の事例を作成する必要があり、精神的な負担となっていました。
ケアマネの更新研修は経済的や時間、精神的な負担が大きいと言えます。
給料が安い
ケアマネの仕事は責任が重く、業務量は多いのにも関わらず、給料が見合っていないと感じる人も多いです。仕事の割に報酬が少ないと感じ、モチベーションが下がる場合もあります。
以前は、介護福祉士として5年の実務経験を積んでケアマネになると給料が増える状態でした。制度改正により、2019年10月に創設された「介護職員等特定処遇改善加算」では、勤続10年以上の介護福祉士の給料が8万円相当増える状況になりました。
ケアマネと介護職員の給料が逆転してしまい、ケアマネの業務量が多いのに給料が安い事業所もあるようです。
プライベートの時間を侵されがち
ケアマネの仕事は、勤務時間外にも対応をするケースの多い職種です。利用者や家族からの緊急連絡対応や、日中の業務で手が回らなかった書類作成のために残業をしなければならない状況も珍しくありません。プライベートの時間が削られると、家族との時間や趣味にあてる時間が確保できなくなってしまいます。
筆者の場合も、日曜日の朝に家族から連絡が入り、電話対応をする場合もありました。平日の帰宅後に緊急連絡が入り、急いで利用者の自宅にかけつけた状況も一度や二度ではありません。
ケアマネにとって、心身のリフレッシュや家族との時間は非常に重要です。常に仕事モードに切り替えなければならない状況は、精神的な負担が大きくなります。
【辞めてOK】ケアマネを辞めた方が良いケース
「つらいから辞めたいけどなかなか決断ができない」と考えてはいませんか。無理な状態を続けていると、心身ともに影響が出てきます。
- うつ病の傾向がある
- 人間関係のストレスが多い
- 残業時間が多い
うつ病の傾向がある
ケアマネの仕事は精神的なプレッシャーが非常に大きく、うつ病のリスクが高い職業のひとつです。うつ病の傾向が見られる場合、無理して続けると危険であり、退職の検討も重要な選択肢と言えます。
うつ病は一度発症すると長期的な治療が必要になる場合が多く、仕事や日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。深刻な状態になる前に対策が必要です。
自身の状態を客観的に評価し、必要に応じて休養や退職など含めた適切な判断をしなければなりません。
人間関係のストレスが多い
職場での人間関係のトラブルが絶えず、ストレスが溜まるような環境では、無理せず退職を検討するのが賢明です。精神的な健康を維持するためには、良好な人間関係は非常に大切です。転職によって、より良い職場環境を見つけられるかもしれません。
ケアマネは職場の人間関係だけでなく、利用者や家族とも関わりを持ちます。意見の食い違いや理不尽な要求など、関係がうまくいかなかった場合、別のケアマネに担当を変更してもらう方法もあります。
残業時間が多い
ケアマネの仕事は多忙です。長時間の残業が日常的になっている場合、身体的にも精神的にも大きな負担です。プライベートの時間が確保できないと、ストレスが蓄積しやすくなります。
利用者の自宅訪問やサービス担当者会議の開催など外出する業務だけでなく、ケアプランの作成や経過記録の作成などのデスクワークも多いです。自分で抱えられる以上の業務量になると、ノイローゼ気味になる恐れがあります。
残業が多い環境から抜け出し、ワークライフバランスのとれた職場への転職も一つの解決策です。
「ケアマネを辞めたい」と感じたときにできる5つの対処法
「ケアマネを辞めたい」と思ったときに、なぜ辞めたいのか冷静になって考える必要があります。現状でも解決できる方法があるかもしれないため、自分自身を振り返る必要があります。
- 辞めたい理由を明確にする
- 今の職場で改善できる方法を考える
- メリットとデメリットを比較する
- 休職を検討する
- 転職する
辞めたい理由を明確にする
自分が「ケアマネを辞めたい」と感じる理由を明確にするのが重要です。具体的な問題点を洗い出し、解決可能なものかどうかを見極めると、次のステップに進めます。問題解決が無理なようであれば、退職へ気持ちを切り替えるのも必要です。
辞めたい理由を明確にしておけば、たとえ引き留められても意思をしっかりと持っておけます。
今の職場で改善できる方法を考える
ケアマネとしての仕事を辞めたいと感じたら、理由を明確にする必要があります。具体的な問題点を特定すると、問題が解決可能なものかどうかを判断できるようになります。退職が本当に最善の選択肢なのか、別の方法で状況を改善できるかの見極めが必要です。
過度の業務負担が理由であれば、業務の効率化や上司との相談によって改善できる可能性があります。キャリアの方向性の変更を考えているのであれば、退職が適切な選択となるかもしれません。
自分が感じている問題点を具体的に洗い出し、解決の可能性を検討すると、退職するかどうかの判断や次のステップを考えられるようになります。
メリットとデメリットを比較する
ケアマネジャーの仕事を辞めるかどうか考えるときは、良い点と悪い点の比較が大切です。辞めると得られる自由や新しい可能性と、失ってしまう安定した収入や職場で築いた人間関係などさまざまあります。
自分に合った最良の選択ができます。
休職を検討する
ノイローゼやうつ病の一歩手前になると、正常な判断はできなくなります。無理に辞めようとせずに、休職の検討も一つの方法です。ゆっくり休むと、精神的にもゆとりができて身体的にも元気になってきます。
復帰後は上司と相談し、以前と異なる部署に配属してもらったり、新しい職場や職種を探したりすると良いです。
転職する
ケアマネの仕事自体は好きでも、職場が合わない場合はあります。新しい職場なら、今の悩みを解決できる可能性があります。
居宅ケアマネをやっていて辞めたいと思っているなら、施設ケアマネに挑戦してみるのもおすすめです。現場の介護業務にも携わる場合が多く、直接利用者の介助ができます。
今までと違う環境に身を置くと、自分に合う働き方がみつかる場合もあります。
ケアマネから転職するなら「ホップ」がおすすめ
ケアマネを辞めたいけど、次にどのような職種を選んだらいいのかわからないと考えている人は、介護派遣の「ホップ」にご相談ください。
ホップのコーディネーターは介護現場経験者も所属しています。介護現場の様子も良くわかるため、相談者様の気持ちに寄り添ったアドバイスが可能です。
介護派遣は定期的に職場は変わるものの、ホップ独自のランクを引き継げるため昇給がしやすくなっています。さまざまな職場で経験を積めるため、スキルアップには適している環境と言えます。
転職するかどうか迷っているのに相談していいの?という状態でも、お気軽にご連絡ください。今のあなたに合ったアドバイスをいたします。
ケアマネの退職に関するQ&A
ケアマネの退職に関するQ&Aを2つ紹介します。
- ケアマネはノイローゼになりやすい?
- ケアマネジャーの離職率はどれくらい?
順番にみていきましょう。
ケアマネはノイローゼになりやすい?
ケアマネの仕事は精神的な負担が大きいため、ノイローゼになりやすい傾向があります。責任の重さや人間関係のストレス、業務量の多さなどが原因で精神的に追い詰められる場合があります。自分の健康を守るためにも、ストレスを感じたら早めの対策が重要です。
ケアマネジャーの離職率はどれくらい?
公益財団法人介護労働安定センターの令和4年度介護労働実態調査結果によると、介護職員全体の離職率は14.3%です。ケアマネの離職率は9.2%という結果が出ています。介護職員全体と比較すると、離職率は低い状況です。
参考1:「令和4年度「介護労働実態調査」結果の概要について」|公益財団法人 介護労働安定センター
参考2:ケアマネの離職率はなぜ高い?離職理由と定着率を上げる方法を解説!|介舟ファミリー
ケアマネを辞めたいと思ったときには転職を考えてみよう
ケアマネの仕事は、介護業界において重要な役割を果たしていますが、業務の多忙さや責任の重さから「辞めたい」と感じる場合も多い職種です。ケアマネとしてのキャリアを続けるか、新たな道を歩むかの判断材料として、ぜひ本記事を参考にしてみてください。自分の健康と幸せを最優先に考え、最適な選択をしましょう。
もし自分のキャリアに悩むなら、介護派遣の「ホップ」をご活用ください。
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