「疲れがとれなくて仕事がつらい」
「利用者にいやなことを言われた」
介護士とは、高齢者や障がい者など日常生活に支援が必要な方々の生活をサポートする専門職です。食事や入浴、排泄などの日常生活の援助から、レクリエーションの実施や機能訓練の補助まで幅広い業務を担当します。介護士は社会に不可欠な職業ですが、多くの問題を抱えており離職率の高さが課題です。
本記事では、介護士が仕事を辞めたいと感じる理由や対処法、介護士の向き不向きについて解説します。介護士を辞めたいと考えている人は、参考にしてみてください。
【もう無理】介護士を辞めたいと感じる7つの理由
介護士が仕事を辞めたいと感じる理由はいくつかありますが、いくつかが重なり離職を考える介護士が増加しています。
人間関係に疲れる
介護の現場では複雑な人間関係が存在し、ストレスの要因です。介護の現場では、利用者や家族、同僚、上司など多くの人と密接に関わる必要があります。とくに以下のような状況がストレスを増大させます。
- 認知症の利用者との意思疎通の難しさ
- 家族からの厳しい要求や苦情への対応
- 同僚や上司とのコミュニケーションの問題
- チームワークの低下や職場の人間関係の悪化
人間関係の問題は、日々の業務に大きな影響を与え、仕事へのモチベーション低下や精神的疲労につながります。
給料が低い
介護業界の慢性的な低賃金問題が、多くの介護士の不満や離職の原因となっています。介護業界は慢性的な人手不足に悩まされていますが、給与水準は他の業種と比べて低いのが現状です。
- 夜勤や休日出勤などの割増賃金が不足している
- 経験や資格に見合わない給与体系である
- 昇給や賞与が少ない
以上のような要因により、多くの介護士が自身の仕事に見合った報酬が得られていないと感じています。低賃金は生活の質にも直結してしまうものです。
身体的負担が大きい
介護業務に伴う身体的負担は、介護士の健康問題や離職の要因のひとつです。介護の仕事は、利用者の身体的サポートが中心となるため、介護士自身の身体にも大きな負担がかかります。
- 利用者の移動介助(ベッドから車椅子への移乗など)
- 入浴介助
- おむつ交換や排泄介助
- 清掃や洗濯などの環境整備作業
作業を日々繰り返しおこなうと、以下のような健康問題が生じる場合もあります。
- 腰痛
- 肩こり
- 筋肉痛
- 関節痛
- 疲労の蓄積
とくに腰痛は介護士の職業病とも言われ、深刻な場合は長期の休職や退職につながるケースもあります。身体的問題は、業務効率の低下や精神的ストレスの増加にもつながり、介護士の仕事が継続できない要因です。
精神的な負担が大きい
介護の仕事は身体的負担だけでなく、精神的な負担も非常に大きいのが特徴です。以下のような要因が精神的ストレスを引き起こします。
- 利用者の健康状態の悪化や死別の経験
- 認知症利用者の予期せぬ行動への対応
- 利用者や家族からの過度な要求やクレーム
- 常に気を配り、細やかなケアを提供し続けるストレス
- 夜勤や不規則な勤務によるストレス
- 人手不足による過重労働
いくつかの要因が重なると、以下のような精神的問題が生じる可能性もあります。
- バーンアウト(燃え尽き症候群)
- うつ病
- 不安障害
- 睡眠障害
精神的な負担は目に見えにくいため、周囲から理解されにくく、一人で抱え込んでしまうケースも多いです。
仕事量が多い
介護業界の人手不足は深刻な問題となっており、一人あたりの仕事量が増加しています。
- 担当する利用者数の増加
- 基本的な介護業務(食事、入浴、排泄介助など)の増加
- 記録作成や報告書の作成など、事務作業の増加
- 会議や研修への参加
- 急な欠勤者の代替としての勤務
業務の重なりにより、以下のような問題が生じています。
- 残業の日常化
- 休憩時間の短縮や取得困難
- 有給休暇の取得率の低下
過重労働は身体的・精神的疲労を蓄積させ、ワークライフバランスの崩壊を招きます。十分な休息がとれないと、ケアの質の低下にもつながる可能性も大きいです。さまざまな要因が重なり、仕事への意欲低下や離職を考えるきっかけとなっています。
経営方針が理解できない
介護施設の経営方針と現場の実態にギャップを感じる介護士は少なくありません。価値観の相違は、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 仕事へのモチベーション低下
- 職場への愛着の減少
- ストレスの増加
経営方針と自身の価値観が大きく異なる場合、仕事への意欲が低下し、最終的には転職を考えるきっかけになる場合があります。介護の仕事に携わるうえでの理念や目的を重視する人ほど、問題に悩まされやすい傾向があります。
将来が見えない
介護業界で長く働いていても、給料は低く体力が続かないと感じている人も多く、将来への不安が転職を考えるきっかけとなっています。実務経験の年数など段階を経て資格を取得すると、資格手当がついたり役職に就けるようになったりしますが、他業種と比較してキャリアの選択肢が狭いと感じる人も多いです。
若い世代の介護士にとって、将来のキャリアパスが見えない状況は大きな不安要素です。
介護士を辞めたいと感じたときにできる対処法
介護士として働く中で辞めたいと感じることは珍しくありませんが、すぐに辞めるのではなく状況改善のための対策が必要です。以下に、辞めたいと感じたときの対処法を紹介します。
辞めたい理由をはっきりさせる
問題の根本原因を特定すると、適切な対処法を見つけやすくなります。なぜ辞めたいと思うのか理由を明確にしましょう。漠然とした不満ではなく、具体的な問題点の把握が重要です。
- 日記やメモを使って、日々の仕事で感じる不満や問題点を記録する
- それぞれの問題について、なぜそう感じるのか、根本原因を探る
- 問題点をリストアップし、優先順位をつける
以上のような作業を通じて、本当の問題が何であるかを明確にします。
「仕事がつらい」と漠然とした感覚の背景に、「人間関係のストレス」や「スキル不足による自信のなさ」といった具体的な問題が隠れている場合は多いです。問題が明確になれば、適切な対処法を見つけやすくなります。
周囲に相談する
信頼できる人に相談すると、新たな視点や解決策を得られる可能性があります。一人で抱え込まずに、信頼できる同僚や上司、家族、友人に相談してみましょう。
職場に相談窓口や定期面談の制度がある場合は、積極的な利用をおすすめします。組織として問題解決にとり組むきっかけになる可能性があります。
経験を積む
積極的に学びの機会を求めスキルアップすると、仕事への自信とモチベーションを高められます。経験不足が原因で難しさを感じている場合は、積極的に学んでいきましょう。
- 社内外の研修への参加
- 資格取得(介護福祉士、認知症ケア専門士など)
- 先輩職員の仕事を観察
- 専門書や業界誌の購読
以上のように、経験の積み重ねは単に技術的なスキルを向上させるだけでなく、介護の価値や喜びを再認識する機会にもなります。
気分転換をする
仕事以外の時間を充実させると、精神的なリフレッシュとストレス解消につながります。趣味や運動など、仕事から離れてリフレッシュする時間を作ると、新たな視点や活力を得られる場合があります。
- 趣味の時間を確保する(読書、音楽、映画など)
- スポーツをはじめる
- 自然に触れる時間を作る(散歩、ハイキングなど)
- 友人や家族との交流時間を増やす
- 短期の旅行や日帰り旅行を計画する
- 瞑想やヨガなどのリラックス法を習得する
適度な気分転換は、仕事への意欲を回復させてバーンアウトを防ぐ効果があります。新しい経験や人との出会いが、仕事に活かせるアイデアやエネルギーを生み出す場合も多いです。
転職する
対処法を試しても状況が改善されない場合は、転職を検討するのもひとつの選択肢です。転職する前に、現在の職場での経験や学びを整理し、次にどう活かせるかを考えなければなりません。
- 現在の仕事の何が合わないのかを明確にする
- 自身のキャリアゴールを再確認する
- 介護業界内での転職か、他業種への転職かを検討する
- 必要なスキルや資格を確認し、準備する
- 経済的な準備(貯金など)をする
転職には新しい環境に適応するためのストレスや、期待と現実のギャップなど生じる可能性があります。十分な情報収集と準備をおこない、慎重な判断が重要です。
転職を決意した場合でも、現在の職場での経験や人間関係を大切にし円満な退職を心がけましょう。
介護士の向き不向き
介護士の職業には、向いてる人と向いてない人がいます。自分の適性を知ると、キャリアの選択や仕事への取り組み方を考えるうえで参考になります。
向いてる人
介護士には、以下のような人が向いています。
- 思いやりと共感能力が高い人
- 体力があり、体を動かすことが好きな人
- コミュニケーション能力が高く、人と接するのが好きな人
- 忍耐強く、粘り強い性格の人
- 細やかな気配りができる人
- チームワークを大切にできる人
すべての条件に当てはまる必要はありませんが、心がけていきましょう。
向いてない人
以下のような人は、介護士に向いていない可能性があります。
- 自己中心的な考え方をする人
- 体力に自信がない人
- コミュニケーションが苦手な人
- 急な変化や予定の変更に柔軟に対応できない人
- ストレス耐性が低い人
- 衛生観念が乏しい人
個人の成長や経験によって変化する可能性があります。
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介護士を 辞めたいことに関するQ&A
そもそも「介護士」って?
介護士は、高齢者や障がい者など、日常生活に支援が必要な方々の生活をサポートする専門職です。主な業務内容は以下の通りです。
- 食事や入浴、排泄などの日常生活の援助
- 掃除や洗濯、ベッドメイキングなどの生活環境の整備
- 健康管理のサポート
- コミュニケーションを通じた心のケア
- 記録と報告
介護士は、利用者の尊厳を守りながら、その人らしい生活の支援を目指す重要な職業です。
利用者にイライラしてしまう理由は?
利用者にイライラしてしまう原因として、以下のような状況が考えられます。
- コミュニケーションの難しさ
- 予想外の行動や要求
- 過度の要求
- 自身の疲労やストレス
- 業務の多忙さ
- 経験や知識の不足
イライラしてしまうことは人間として自然な感情ですが、自身をコントロールし適切な対応が専門職としての介護士に求められます。
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サイト名 | 特徴 | 公式サイト |
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介護士を辞めたいと思ったら原因と対策を考えましょう
介護の仕事はたしかに大変ですが、同時に大きなやりがいと社会的意義を持つ職業です。辞めたいと感じたときは、何がつらくいやなのか、一人で抱え込まずに周囲のサポートを積極的に活用してください。自分自身の健康と幸せを第一に考えながら、最適な選択をしましょう。
努力を重ねても辞めたいと考える場合は、これまでの経験を活かせる職場の選択が重要です。介護業界での経験は、ほかのサービス業や福祉関連の仕事にも活かせる貴重なスキルとなります。
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