介護職は身体的にも精神的にも負担の大きい仕事です。施設によって働きやすさは大きく異なります。
本記事では、介護職が「楽」と感じる施設の特徴を7つ紹介し、施設別に働きやすさのポイントも解説します。自分に合った施設を見つけるコツもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
介護職が「楽」と感じる施設の特徴
介護職の仕事は身体的にも精神的にも負担が大きいと言われますが、施設によっては「楽」と感じられる環境もあります。
身体的な負担が少ない
身体的負担の少ない施設は、介護職員にとって楽な環境です。介護業務には排泄介助や入浴介助など身体的に負荷の大きい業務が多く含まれるため、負担の軽減で楽と感じられ、長期的に働き続けられる環境になります。
電動リフトや特殊浴槽などの介護機器が充実している施設や、抱え上げない介護を実践している施設などは身体的な負担が少ないと言えます。身体的負担の軽減は、介護職員の心身の健康維持に欠かせません。
認知症の利用者が少ない
認知症の利用者が少なく、適切なケア体制が整っている施設は精神的に楽と言えます。認知症ケアは専門的なスキルと忍耐力を要するため、経験の浅い介護職員にとってはとくに負担が大きくなります。
認知症の利用者が少ない施設や、認知症ケアに関する定期的な研修がおこなわれている施設はおすすめです。認知症ケアの負担軽減ができると楽と感じられ、介護職員のストレス軽減と質の高いケアにつながり、長期的に働けるようになります。
上司がフォローしてくれる
上司のサポートが充実している施設は、楽な施設と言えます。介護現場では日々トラブルが起きる場合は多く、経験豊富な上司のアドバイスや支援は、順調な業務の進行や介護職員の成長に必須です。
定期的な面談や相談の機会が設けられている施設や、上司が現場に頻繁に足を運び状況を把握している施設などがあげられます。上司のフォローが良い施設は楽な施設と感じられ、新人職員の定着率も高まります。
休暇を取りやすい
休暇を取得しやすい環境は、介護職員の働きやすさに大きく影響します。介護は身体的や精神的に負担の大きい仕事のため、適切な休息が燃え尽き症候群の予防と就労の継続には重要です。有給休暇の取得率が高い施設や、希望休が取りやすいシフト制を採用している施設などが当てはまります。
職場の雰囲気がギスギスしていない
良好な職場の雰囲気は、介護職員の働きやすさに関係する要因です。介護はチームワークが不可欠な仕事のため、スタッフ間に良好な関係性ができていると精神的に楽と感じられ、結果的に質の高いケアにつながります。
具体的には、常にコミュニケーションが図られている施設や、互いの助け合いが根付いている施設などです。良好な職場の雰囲気は、職員の精神的安定を維持し、長期的に仕事が継続できるようになります。
勤務時間に融通がきく
勤務時間の融通がきく施設は、介護職員にとって楽と感じられる環境です。介護職員の中には、家庭との両立や副業との兼ね合いなどさまざまな事情を抱える人がいるため、柔軟な勤務体制が求められています。
短時間勤務や時差出勤制度を導入している施設や、急な勤務変更にも柔軟に対応してくれる施設などはおすすめです。勤務時間の融通は、人材の確保と定着率の向上につながり、施設全体のサービス質が向上します。介護職員一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方が可能になると、仕事へのモチベーションも高まります。
正当な評価をされる
公平で適切な評価システムがある施設は、介護職員の精神面に大きな影響を及ぼします。努力や成果が正当に評価されると、職員の仕事に対する意欲が高まる場合も多いです。自分自身は一生懸命仕事をしているのに正当な評価をされないという、精神的な負担も軽減されて楽と感じられます。
定期的なスキルチェックと研修制度がある施設や、資格取得支援制度が充実している施設などはおすすめです。正当な評価システムは、職員の成長を促進し意欲の向上につながります。
【保存版】介護施設ごとの働きやすいポイント
介護施設にはさまざまな種類があり、特徴や働きやすさのポイントがあります。
特養｜特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、介護度の高い高齢者が長期的に生活する施設です。働きやすいポイントとして、施設職員の多さがあげられます。わからない内容があってもすぐに聞ける環境なので、介護職の経験が浅くても働きやすいと言えます。
長期入所の施設であるため、利用者との深い関係性を築きやすく、日々の小さな変化や長期的な改善を実感しやすいのも特徴です。重度の要介護者が多いため、身体的負担は比較的大きくなる点には注意が必要です。
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老健｜介護老人保健施設
介護老人保健施設は、リハビリテーションに力を入れている施設です。働きやすいポイントとして、利用者の自立支援にやりがいを感じられる点があげられます。
日常生活動作（ADL）の改善を目指した介護計画の実施やリハビリ職との連携などを通じて、利用者の状態改善を直接感じられます。医療職との連携が密な点も大きな特徴です。看護師や理学療法士、作業療法士などの専門職と日常的に情報交換や連携をおこなうなど、医療的な知識やスキルを学ぶ機会が多くあります。
サ高住｜サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、比較的自立度の高い高齢者が生活する施設です。働きやすいポイントとして、身体的負担の軽い点があげられます。安否確認や生活相談が主な業務となり、身体的な負担は少ないです。
施設によってはスタッフ配置が少ない場合もあるため、業務量や責任の範囲については事前に確認が必要です。
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グループホーム
グループホームは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る施設です。働きやすいポイントとして、利用者との関係性は深まりやすい点があげられます。通常9人程度の小規模な環境で家庭的な雰囲気の中でケアを提供するため、利用者一人ひとりの性格や習慣、好みなどを深く理解し、個別性の高いケアの実践が可能です。
利用者の生活歴に基づいた回想法や、個々の能力に応じた家事参加など、きめ細かなケアができます。認知症ケアのスキルが身につくのも大きな特徴です。
デイサービス
デイサービスは、在宅の高齢者が日中を過ごす通所型の施設です。働きやすいポイントとして、夜勤はなく規則正しい生活ができることがあげられます。通常、朝から夕方までの勤務となるため、夜間や早朝の勤務がなく、プライベートな時間を確保しやすいのが特徴です。家庭生活との両立がしやすく、ワークライフバランスを保ちやすい環境と言えます。
レクリエーションなど、楽しみながら仕事ができるのも魅力的です。季節の行事や趣味活動、体操やゲームなど、利用者と一緒に楽しむ時間が多くあります。
訪問介護
訪問介護は、へルパ―が利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供します。働きやすいポイントは、1対1のケアで利用者との信頼関係の築きやすい点です。利用者の生活環境や習慣を直接観察し、個別の希望や要望に合わせたきめ細かなサービスを提供できるため、介護の専門性を存分に発揮できます。
時間の融通がききやすいのも訪問介護の魅力です。多くの事業所では、ヘルパーの希望を考慮してシフトを組むため、自分のプライベートに合わせた勤務が可能です。
【本当に楽？】介護職が働きやすい施設を見つける3つのコツ
介護職として働きやすい施設での仕事は、キャリア形成と職場の満足度を高めるうえで非常に重要です。しかし、「働きやすさ」の定義は人それぞれであり、一概に「この施設が楽だ」とは言い切れません。
自分にとっての働きやすさを考える
働きやすい施設を見つけるための第一歩は、自分にとっての「働きやすさ」の明確化です。力仕事が苦手な人であれば、機械化が進んでいる施設や、比較的自立度の高い利用者の多い施設が適しているかもしれません。認知症ケアに興味がある人であれば、グループホームなどが良い選択肢です。
自分の価値観や生活スタイル、将来のキャリアプランなどを総合的に考え、優先順位をつけることが大切です。
仕事内容を確認する
働きやすい施設を見つけるためには、仕事内容の確認が必要です。介護施設と言っても、種類や規模、方針によって業務内容は大きく異なります。施設見学や職場体験の機会を積極的に活用しましょう。
施設見学では、職場環境や設備、利用者の様子などを直接確認できます。現場の介護職員の声を直接聞くのも非常に重要です。
職員の処遇を確認する
働きやすい施設を見つけるためには、職員の処遇の確認が必要になります。給与や休暇制度などの待遇面は、長期的に働き続けるうえで非常に重要なポイントです。
給与については、基本給だけでなく、各種手当も含めた総支給額の確認が大切です。休暇制度については、有給休暇の付与日数や取得率、育児・介護休暇の制度などを確認します。
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介護職にとって「楽な施設」とは？理想の職場で長く活躍しよう
介護職が「楽」と感じる施設の特徴は、身体的負担の少ない点や良好な職場環境、適切な評価などさまざまな要因があります。楽の定義は人それぞれであり、一概に「この施設が楽」とは言い切れません。重要なのは「自分にとっての働きやすさとは何か」をはっきりさせて、施設ごとの特徴を理解したうえでの慎重な選択です。
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