デイサービスの仕事は、利用者や家族と深くかかわる仕事のためやりがいを感じられることが多いです。「人の役に立ちたい」と考えて介護の仕事を続けていきたい人にピッタリかもしれません。しかし「自分に向いているかわからない」と不安な人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、デイサービスに向いている人の性格と、向いていないと感じたときにできる対処法について解説します。デイサービスで働いたことのある筆者の実体験に基づいた話も盛り込んでいるので、ぜひ参考にしてみてください。
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デイサービスに向いている人の性格
入所施設と違って、デイサービスは日々異なる利用者さんが通所してきます。利用者さんと密接にかかわることも多いため、以下のような人がデイサービスに向いていると考えられます。
- 人と接するのが好き
- 思いやりがある
- 聞き上手
- 広い視野で物事が見られる
- 人前に立つことが苦手ではない
人と接するのが好き
デイサービスで働くために最も大切なのは「人と接するのが好き」なことです。毎日利用者と接するので、人との会話や話を聞くことに楽しさを感じられる人が向いています。
利用者との会話の中から良い面を引き出したり、話を深掘りして悩みを聞き出したりすることもできるでしょう。利用者の詳しい情報は介護にも役立てられます。
思いやりがある
デイサービスの仕事には「思いやりがある」ことがとても重要です。思いやりとは、利用者の気持ちを理解して何を求めているのか、どのような支援が必要なのか想像する能力です。思いやりがあれば、一人ひとりに合わせた介助ができます。
利用者の様子を見ていて「今日はなんだか元気がない」と感じた場合、体調が悪いのか何か嫌なことがあったのか知る必要があります。体調が悪くなければ、優しい言葉をかけたり好きな活動を勧めたりして気分転換を促しましょう。思いやりのある介護職員は、利用者の観察をして適切な対応ができるので、デイサービスが向いていると言えます。
聞き上手
デイサービスでは「聞き上手」になるのも大切な要素です。利用者は日々の出来事や悩みなどを話してくれる場合があります。耳を傾けるだけでなく、話に共感して適切な返事が必要です。
筆者の場合、「昨日家で転びそうになって危なかったよ」と利用者に言われたときには、「転びそうになったの?けがしなくて良かったですね。」と、オウム返しも含めた会話を心がけていました。
聞き上手になるには、相手の話を途中で遮らずに最後まで聞くことが基本です。相手の感情を理解して言葉で返せば、利用者は自分の話を理解してもらえたと感じるでしょう。
広い視野で物事が見られる
デイサービスで働くときに「広い視野で物事が見られる」能力があると向いていると言えます。広い視野とは、利用者一人ひとりのその場の状況だけでなく、背景や家族状況など、さまざまな角度から物事が見られることを意味します。
広い視野で物事が見られれば、介護のスキルが上がるだけでなく、職場内のチームワークを強化するうえでも非常に役立つでしょう。瞬間の出来事のみに目を向けるのではなく、広い視野を持つことによりデイサービスの仕事がしやすくなります。
人前に立つことが苦手でない
デイサービスでは利用者の前で話す場面が多いため、人前に立つのが苦手でない人は向いているでしょう。以下のような場面で司会をすることが多いです。
- 朝の会
- 昼食前のお口の体操
- 体操やレクリエーション
- 帰りの会
体操やレクリエーションは、今から何をするのか内容の説明や雰囲気を盛り上げる必要もあります。節分や夏祭り、クリスマスなど大きな行事の場合、スタッフ一同で変装をしたり出し物をしたりすることもあります。行事やレクリエーションをストレスと思わず、楽しんで実行できる人はデイサービスで働いていても楽しいはずです。
デイサービスに向いていない人の性格
デイサービスに向いていないと考えられる性格の人もいます。多く言われるのは以下のような性格の人ではないでしょうか。
- 自己中心的
- 潔癖症で神経質
- 気が短い
一つひとつ解説していきます。
自己中心的
デイサービスはチームで行っていく仕事です。自分の考えだけでは日々の業務は進んでいかないため、一緒に働く同僚と協力して進めていく必要があります。
介護業界は人手不足であり忙しい場合が多く、チームワークを乱すと周りにストレスを与えてしまいます。一日の業務がなかなか終わらないことも多くなるでしょう。自分勝手な行動をして利用者にけがをさせてしまう可能性もあり注意が必要です。
デイサービスで働くには自己中心的ではなく、チームワークを重視できる人が求められます。
潔癖症で神経質
潔癖症や神経質の人で、汚いものに触れられない人は向いていないと感じるかもしれません。デイサービスでは、入浴介助や排泄介助など、汚れたものを扱うことも多いです。排せつ物などの処理の際にビニール手袋をはめても触るのが嫌な場合には、仕事が辛くなってしまいます。
がんばって続けていけば慣れるかもしれないけれど、将来が想像できない場合にはデイサービスの仕事は難しいでしょう。
気が短い
気が短く、せっかちな人はデイサービスに向いていないかもしれません。利用者を介助する際には、相手のペースに合わせることが必要です。高齢になってくると、動作もゆっくりになる人が多いです。
利用者のペースに合わせずに行動を急かしてしまうと、転倒などの事故につながる可能性があります。急かしてしまうと、利用者が話せなくなってしまい、自分の気持ちを伝えてくれない場合も考えられます。
「デイサービスに向いていない」と感じた人ができる対処法
デイサービスでの仕事に挑戦したものの、「自分には向いていないかもしれない」と感じるかもしれません。ネガティブな感情になったときには、前向きな対処方法を見つけていきましょう。以下のような方法が考えられます。
- 周りに相談する
- 自分のスキルを上げる
- 別の介護施設に転職する
詳しく解説していきます。
周りに相談する
一人で悩みを抱え込まず、周囲に相談してみましょう。会社で一緒に働いている上司や介護職員はもちろん、家族や友人にも話してみると良いです。第三者からのアドバイスから新たな解決策が見出されるかもしれません。
介護業界で働く人たちのオンラインコミュニティなどへの参加も、ひとつの方法です。同じような悩みをどのように乗り越えてきたのかを知ることで、自分自身の悩みを解決するヒントが見つかる場合もあるでしょう。
自分のスキルを上げる
デイサービスに向いていないと感じる原因のひとつには、必要なスキルや知識が足りない場合もあります。家事や仕事の合間の自由時間を活かして、スキルアップのために研修やセミナーなどに参加しましょう。
コミュニケーション方法やストレスの解消方法がわからないときには、適した専門分野の学びを深めましょう。今から資格取得できるのかなと不安になる方もいると思いますが、資格を取得すると自分自身に自信を持てるようになります。
別の介護施設に転職する
デイサービスの仕事が嫌ではなく、職場の環境や方針が合わないときは、転職も視野に入れてみましょう。介護業界でも施設や会社によって、雰囲気や働き方はさまざまです。自分にとって理想的な職場環境を見つけるために、幅広い情報収集を行い、転職活動を検討してみましょう。
筆者の場合、デイサービスのレクリエーションの司会が苦手で克服できずに、ケアマネジャーへ異動願いを出した経緯があります。我慢せずに自分の能力を発揮できる環境に身を置けば、ストレスを少なくして働けるでしょう。
たとえば、介護派遣の「ホップ」は、介護派遣の転職をサポートします。転職活動は初めてだから何をしたら良いのかわからない人も、専任担当のコーディネーターに希望や条件を伝えると、一人ひとりに合った求人を探すことが可能です。現場にしかわからない派遣先の情報も把握しているので、ミスマッチも起こりにくくなっているため安心してください。
デイサービスに向いているかを判断する際の注意点
デイサービスでの仕事に興味があるけれど、「本当に自分に向いているのか?」と迷っている場合、判断するにはいくつかのポイントがあります。
「人と接するのが好き」「思いやりがある」など、さまざまな解説をしてきましたけれど、働いてみないとわからない場合も多いです。働いて間もないうちは、利用者一人ひとりの顔を覚えるのが精いっぱいで、何をしたら良いかわからないことも多いでしょう。時間が経過して仕事に慣れていけば解決する問題です。
デイサービス自体の仕事は好きだけど、忙しすぎることや人間関係が良くないなら、職場を変えれば解決するので転職を検討してみてはいかがでしょうか。デイサービスに向いていないわけではありません。
人前でしゃべることや送迎車の運転が苦手な場合は、デイサービスに向いていない可能性があります。自分自身がどのような場面に違和感を感じるのか、冷静な判断が必要になります。
介護の基本ができる人ならデイサービスに向いている!
デイサービスでは、利用者の気持ちに寄り添って介護をする基本ができていれば、向いている性格と言えます。しかし、デイサービス特有の、送迎者の運転やレクリエーションの司会などが苦手な場合は、働いていてもストレスに感じてしまうでしょう。
介護業界でも会社や施設、業種によって、業務内容はさまざまです。介護の仕事が好きでも職場が働きづらかったらストレスが溜まってしまいます。
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