2024/08/26

【経験談】居宅ケアマネが辛い理由9選!主な仕事内容や施設ケアマネとの違いも解説

介護に関する悩み

介護の現場で重要な役割を担うのが居宅ケアマネです。多くのやりがいを感じられる一方で、困難な事例にも対応しなければなりません。

本記事では、居宅ケアマネの仕事の実態や辛さの原因、辛いと感じたときの対処法について詳しく解説します。「居宅ケアマネに興味があるけれど自分にできるかな」と感じている方は、参考にしてみてください。

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【予備知識】居宅ケアマネとは?

居宅ケアマネの仕事内容や施設ケアマネとの違いについて詳しく解説します。

仕事内容

居宅ケアマネは、在宅で介護サービスを利用する高齢者のケアプランを作成し、適切なサービスを提供するコーディネーターの役割を果たします。主な仕事内容は以下の通りです。

  • 利用者のアセスメント(状況把握)
  • ケアプランの作成
  • サービス事業者との連絡調整
  • 利用者や家族との面談
  • モニタリング(サービス提供状況の確認)
  • 介護保険に関する相談対応

居宅ケアマネの仕事は多岐に渡ります。

施設ケアマネと居宅ケアマネの違い

施設ケアマネと居宅ケアマネの主な違いは、サービス提供の場所と対象者にあります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

<施設ケアマネと居宅ケアマネの特徴>

各種ケアマネ特徴
施設ケアマネ

・介護施設内でサービスを提供

・施設入居者が対象

・施設内の他職種と密に連携

・比較的安定した環境でケアプランを実施可能

・緊急時の対応がしやすい

・利用者の生活全般を把握しやすい

居宅ケアマネ

・在宅でサービスを提供

・在宅の高齢者が対象

・多様なサービス事業者と連携

・利用者の生活環境や家族状況に応じた柔軟な対応が必要

・緊急時の対応に時間のかかるケースがある

・利用者の生活全般を把握するのに時間と労力がかかる

居宅ケアマネは、より広範囲な調整と個別性の高い対応が求められるため、一般的に施設ケアマネよりも仕事の幅が広いと言えます。

【経験談】居宅ケアマネが辛いと感じる9つの理由

【経験談】居宅ケアマネが辛いと感じる9つの理由

居宅ケアマネの仕事をしていると、楽しい場合も多いですが辛いと感じるケースもあります。9つの理由を経験談とともに紹介します。

1.仕事量が多すぎる

居宅ケアマネの仕事は多岐にわたり、一人当たりの担当件数も多いのが現状です。ケアプランの作成やモニタリング、各種書類の作成、関係機関との連絡調整など、日々の仕事に追われ時間外労働が常態化しているケースも少なくありません。

朝から晩まで訪問や相談対応に追われ、書類作成は家に持ち帰るケースもあります。利用者は35名まで担当可能で、それぞれに月1回以上の訪問が必要です。新規相談や緊急対応もあるため、常に時間に追われている状態です。

2.介護保険外の仕事もしなければならない

介護保険で定められた仕事以外にも、利用者や家族からのさまざまな相談や要望に対応する必要があります。病院のつき添いや書類の代筆など、本来の業務範囲を超えた対応が求められる場合もあり、時間的・精神的な負担となっています。

筆者が認知症の独居高齢者の担当をしていたときの例です。冷蔵庫の中身が腐っていたり、請求書の支払いが滞っていたりと、生活全般のサポートが必要でした。訪問介護も依頼していたのですが、介護保険では対応できない部分も多く、ボランティア的な対応をしなければならない場合も多々ありました。

3.利用者の人生を左右してしまう

居宅ケアマネは、利用者のケアプランの作成において、生活の質や将来の人生の方向性に影響を及ぼす役割があります。ケアプランには、日常生活の支援から医療的ケア、レクリエーション活動にいたるまで、利用者のニーズが反映されている必要があります。

責任の重さは、居宅ケアマネにとって相当なプレッシャーです。適切なサービスの選定やケアプランの詳細を決定する際には、利用者本人や家族の意向を十分に理解し、最善の選択をしなければなりません。間違った判断をした場合、利用者の人生に悪影響を与えてしまう可能性があるため、サービス事業者や主治医にも意見を求めることが必要です。

4.更新研修を受けなければならない

居宅ケアマネの資格を維持するには、5年ごとに更新研修を受講する必要があります。更新研修の時間は実務経験の長さにより、32時間から88時間に設定されています。更新研修は長期間に渡るため、仕事と両立させながら受講するのは大きな負担です。

筆者も5年ごとに更新研修を受講しており、一緒に受講したケアマネは「体調が悪いけれど一日でも欠席するとケアマネの仕事ができなくなるからがんばって来た」と言っていました。

5.さまざまな知識を学ぶ必要がある

ケアマネは、介護保険制度や医療、福祉サービスなど、幅広い分野の知識が求められます。制度改正や新しいサービスの登場にともない、常に最新の情報を学び続けなければなりません。継続的な学習の必要性が、精神的な負担となります。

配食サービスや介護用品の購入費の助成など、各自治体による支援制度はそれぞれ違うため、しっかりと頭に入れておく必要があります。

6.ひとり暮らしの利用者の対応が大変

家族のサポートがない一人暮らしの高齢者の場合、より細やかな配慮と支援が必要です。緊急時の対応や日常生活のサポートなど、ケアマネの負担が多くなります。

実際に、筆者が認知症の独居高齢者を担当したときの事例です。

毎日のように「お金がなくなった」「食べ物がない」といった電話がかかってきました。実際に訪問すると、冷蔵庫に食べ物はあり、お金もなくなっていません。ひとり暮らしの不安から頻繁に電話をしてきたのでしょう。本人の不安をとり除くためにもほかの利用者より多くの訪問が必要で、ほかの仕事との両立が非常に難しかった覚えがあります。

7.休日にも連絡が入る

利用者の急な体調変化や家族からの相談など、休日や夜間であっても連絡の入る場合があり、プライベートな時間が確保しにくい状況です。

筆者の場合、帰宅したとたん訪問看護事業所から連絡が入り、利用者宅にかけつけたケースもありました。旅行中に電話が鳴った場合もあります。プライベートな時間にも連絡が来ると常に仕事をしているような状態になり、気持ちが上手に切り替えられませんでした。

8.クレーム対応で心が病んでしまう

利用者や家族、サービス事業者からのクレームに対応するのも居宅ケアマネの仕事のひとつです。時には理不尽なクレームに遭遇する場合もあり、精神的なストレスが蓄積されやすい環境にあります。

さまざまなクレームはありますが、ケアマネができる内容とできない内容ははっきりと伝えましょう。自分自身で対応できないと思ったら、大きなトラブルになる前に管理者や地域包括支援センターに相談が必要です。

9.事業所と利用者の間に入るのが大変

サービス事業所と利用者の間で意見の相違や対立が生じた場合、調整役を担うのが居宅ケアマネです。双方の立場を理解しながら最適な解決策を見つける必要があり、板挟みの状況がストレスの原因となる場合があります。

お互いの歩み寄りも必要なため、話し合うためのサービス担当者会議の開催も有効です。

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居宅ケアマネが辛いと感じたときにできる対処法

居宅ケアマネの仕事はたしかに辛い場合もあります。適切な対処法を知るとストレスを軽減でき、より長く健康的に仕事を続けることが可能です。具体的な対処法と実践例を紹介します。

自分の気持ちに向き合う

辛いと感じたときは、自分の気持ちを認識し受け入れることが大切です。無理にがんばろうとせず、自分の限界を知ると適切な対処法を見つけやすくなります。

仕事とプライベートを切り離す

可能な限り、仕事とプライベートの時間をはっきりと区別しましょう。休日や退勤後は仕事を考えないよう意識し、自分の時間を大切にすると、心身のリフレッシュを図れます。

緊急でなければ、利用者や家族には会社の電話にかけてもらうように説明が必要です。

相談できる人を見つける

同僚や上司、ほかの事業所のケアマネなど、仕事の悩みを相談できる人を見つけると良いです。経験者のアドバイスを得ると、新たな視点や解決策が見つかる場合もあります。

異動を申し出る

精神的なストレスで病気になる前に、同じ法人内で異なる部署や役割への異動が可能な場合は、上司に相談するのもひとつの選択肢です。環境の変化によって、ストレスが軽減される場合があります。

転職する

現在の環境での改善が難しい場合は、転職も選択肢のひとつです。ただし、転職する前に十分な情報収集と自己分析をおこない、慎重な判断が大切です。

居宅ケアマネの向き不向き

居宅ケアマネに向いてる人と向いてない人を説明します。自分自身に当てはまるのか確認してみましょう。

向いてる人の特徴1.コミュニケーション能力に優れている人

居宅ケアマネは、利用者や家族、サービス事業者など、多くの人とコミュニケーションをとる必要があります。みんなの意見を傾聴し、円滑なコミュニケーションが図れる能力は必須です。

向いてる人の特徴2.人のお世話が好きな人

居宅ケアマネの仕事は、他人を支援する喜びが感じられる人や、人の役に立ちたいと強く思っている人にとくに適しています。居宅ケアマネは、相手の立場に立って考え感情を理解する能力が求められるため、共感力の高い人はより効果的な支援が可能です。

しかし、感情移入が過ぎると自分自身の精神的負担が大きくなる場合もあるため、プロフェッショナルとしての適切な距離感を保つ姿勢が大切です。利用者との適切な関係を築くと、感情的に消耗せずに支援を行えます。

向いていない人の特徴1.人の考えが受け入れられない人

居宅ケアマネの仕事は、さまざまな背景や価値観を持つ利用者と接するため、幅広い考え方と受け入れる心が大切です。利用者一人ひとりが異なる生活スタイルや個性を持っているため、それぞれのニーズに合わせた支援を提供しなければなりません。

利用者の立場を理解し必要とする支援をおこなうには、多様性を認め柔軟な対応が必要です。

向いていない人の特徴2.ケアマネが偉いと思っている人

ケアマネージャーは、利用者やほかの専門職と協力し、利用者が自立して生活するためのケアプランを策定・実行する役割があります。ほかの医療や福祉の専門家と対等な立場での協同が必要です。

居宅ケアマネは、上から目線の態度は適切ではありません。ほかのスタッフや利用者の意見を聞き、一緒に利用者のための解決策を見つける姿勢が重要です。

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居宅ケアマネの辛さに関するQ&A

居宅ケアマネは大変なの?

居宅ケアマネはたしかに大変な仕事です。幅広い業務内容や重い責任、時間外労働の可能性など、さまざまな面で負担が大きいと言えます。しかし、利用者の生活の質を向上させる手助けができる点は、非常にやりがいのある仕事です。

居宅ケアマネの年収はどれくらい?

居宅ケアマネの年収は、経験や勤務先によって異なりますが、一般的に420万円程度と言われています。残業代や賞与などの条件は事業所によって大きく異なるため、詳細は求人情報や転職サイトで確認をおすすめします。

参考:介護支援専門員/ケアマネジャー|厚生労働省

居宅ケアマネは辛いけどやりがいのある仕事

居宅ケアマネの仕事の辛さや大変さについて詳しく見てきました。たしかに、簡単に解決しない問題も存在しますが、大きなやりがいもあります。

利用者の生活の質を向上させ笑顔が見られたとき、居宅ケアマネとしてうれしくなります。複雑な問題を解決し、適切なサービスにつなげられたときの達成感は大きいです。居宅ケアマネだからこそ味わえる特別な経験です。

たしかに辛い場合もありますが、それ以上に人の人生に寄り添い支援できるすばらしさがあります。ただし、辛い感情が多くなってきた際には、無理せずに適切な対処が必要です。自己管理と周囲のサポートを上手に活用しながら、長く続けられる仕事にしていきましょう。

 

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著者情報 / 監修者情報

長谷部宏依(はせべひろえ)
介護職員として介護老人保健施設に入職。 その後介護福祉士を取得し訪問介護や訪問入浴、デイサービスで働く。 ケアマネジャーは20年の実績があり、100名以上の高齢者を担当。 認認介護や老老介護、介護拒否など困難事例も多く経験。 現在はWebライターとして介護記事を中心に執筆している。