「介護の仕事を続けたいけど、今後給料が上がっていくのか不安」そんな方も多いでしょう。
介護職の待遇改善は今までにも実施されており、今後も国が待遇改善の方針を貫いていることから、給料は今後も上がっていく可能性が高いです。
本記事では、介護職の給料の現状、給料が安いと言われる理由から給与を上げる方法まで解説していきます。
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【結論】介護職の給料は今後上がる可能性が高い!
介護職の給料は今後上がっていく可能性が高いです。
国は今までも介護職の給料を上げるために、下記のような待遇改善に関する政策を実施してきました。
- 「介護職員処遇改善臨時特例交付金」
- 「介護職員処遇改善加算」
- 「介護職員等ベースアップ等支援加算」
高齢化が進む中で、介護職の離職が問題になっており、人材確保が重要な課題とされています。
厚生労働省は、2024年2月から介護職員1人あたり6,000円の補助金を出す形で賃上げを実施していく方針です。
3年に1度行われる介護報酬改定を2024年度に控えており、国が介護職の待遇改善の方針を一貫して打ち出しています。
介護職における給料の現状を紹介
介護職の待遇改善はされてきていますが、実際の給料事情はどうなっているのでしょうか。
介護職の給料の現状を下記の3つの視点で紹介します。
- 平均給与額
- 平均手取り額
- 平均賞与額
順番に詳しく説明していきます。
平均給与額
厚生労働省の調査によると、常勤と非常勤の介護職員の平均給与額は下記の通りです。
勤務形態 | 平均基本給与額 | 平均給与額 |
---|---|---|
常勤 | 18万6,190円 | 31万7,540円 |
非常勤 | 13万7,790円 | 20万9,540円 |
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.132)」
基本給に手当やボーナスなど含む金額を月換算したものが「平均給与額」です。
介護職の平均給与額は、常勤で31万7,540円、非常勤で20万9,540円となっています。
同調査によると、常勤の場合でも男性や女性の違いで平均給与額は変わります。
男性介護職員の年齢別平均給与額と平均勤続年数は、以下の通りです。
年代 | 平均給与額 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
29歳以下 | 29万50円 | 4.1年 |
30~39歳 | 33万7,360円 | 7.9年 |
40~49歳 | 35万9,180円 | 10.2年 |
50~59歳 | 33万9,040円 | 9.7年 |
60歳以上 | 27万9,880円 | 9.1年 |
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.172)」
女性介護職員の年齢別平均給与額と平均勤続年数は、以下の通りです。
年代 | 平均給与額 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
29歳以下 | 28万3,150円 | 3.9年 |
30~39歳 | 30万9,070円 | 8.0年 |
40~49歳 | 31万8,630円 | 9.5年 |
50~59歳 | 31万7,030円 | 9.7年 |
60歳以上 | 29万1,090円 | 11年 |
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.172)」
男性の平均給与が1万円から4万円ほど高い理由として、正職員として勤務する方が多く手当も十分に支給されているからでしょう。
もっとも平均給与額が高くなるのは、男性は40代、女性は50代です。子育てが終わって落ち着いているタイミングが、1番稼ぎやすい年代です。
平均手取り額
きらケア介護白書2022(p.22)によると、正社員(常勤)と非正規社員(非常勤)の平均手取り額は下記の通りです。
常勤の場合、平均手取り額は15万円から20万円未満が38.5%ともっとも多く、20万円から25万円未満が36.4%、25万円から30万円未満が11.8%と続いています。
非常勤の場合、平均手取り額は10万円未満が38.9%でもっとも多く、10万円から15万円未満が30.7%、15万円から20万円未満が21.1%です。
平均賞与額
きらケア介護白書2022(p.24)の今回の調査によると、正社員のうちボーナスが支給されたのは夏と冬合わせて約8割でした。
冬のボーナスは20万円から30万円が30.6%、夏のボーナスは10万円から20万円が33.5%ともっとも多かったです。
平均賞与の支給額は役職や勤続年数に応じて高くなる傾向があり、30万円以上支給された方は、管理職・施設長クラスなどの役職者や勤続年数が10年以上の方で4割にのぼりました。
介護職の給料が安いと言われる理由
介護職の給料が安いと言われる大きな理由は下記の通りです。
- 介護保険制度によって報酬が決められれている
- 専門性が重要視されていないから
介護の報酬は事業者が決められるものではありません。収入は介護報酬から支払われるため国からお金がでます。サービスごとの金額が決まっており、上限もあるため事業所が報酬を増やすことは非常に難しく、職員への給料にも影響します。
介護職には専門的な資格がいくつも存在しますが、無資格からでも働けるイメージが強いのではないでしょうか。実際に介護場面では専門性を求められるケースはあるのですが、社会的な認識は乏しいです。
【今後に向けて】介護職の給料を上げる方法5選
安いとされる介護職の給料ですが、給料を上げることはできます。
介護職の給料を上げる方法を5つ紹介します。
- 勤続年数を重ねる
- 夜勤専従で働く
- 資格を取得する
- スキルアップする
- 転職する
働き方を変えたり、資格の取得や転職を視野に入れたりすると給料アップが期待できます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
勤続年数を重ねる
給料を上げる簡単な方法として、年単位で昇給して給料を上げるという選択肢があります。同じ職場に勤めることで昇給額も上がる可能性が高いでしょう。
介護職の勤務年数と平均給与の関係は下記の通りです。
勤続年数 | 平均給与額 |
---|---|
5年(勤続5年~5年11か月) | 30万5,970円 |
10年(勤続10年~10年11か月) | 32万2,990円 |
15年(勤続15年~15年11か月) | 34万2,590円 |
20年以上 | 37万1,640円 |
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇等調査結果(p.148)」
勤続年数が5年増えると平均給与が約2万円上がります。働きやすい職場であると感じる場合は、勤続年数を重ねて給料を上げる方法がおすすめです。
夜勤専従で働く
夜勤専従で働くと高収入を得られるようになります。
一般的な夜勤勤務は、時給1,500円で夜勤手当は5,000円だとします。
実働15時間の場合、1回の勤務で得られる給与は下記の通りです。
1,500円×15時間+5,000円=27,500円
週に40時間以内と制限されており、多くても月に10回前後の出勤になるでしょう。
注意点は、夜勤1回の単価で決めずに必ず時給換算して選ぶことです。
昼夜逆転の生活になるため、体調管理には十分気をつけて勤務するよう心がけてください。
資格を取得する
資格を取得し、資格手当が付くと給料アップにつながる可能性があります。
介護職にはさまざまな資格があり、下記の通り資格の有無で給与に大きく差がでます。
資格の有無 | 平均給与額 |
---|---|
保有資格なし | 268,680円 |
介護福祉士 | 331,080円 |
社会福祉士 | 350,120円 |
ケアマネジャー | 376,770円 |
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.166)」
無資格の場合は、まず介護福祉士の資格取得をおすすめします。実務経験を積んだ後は、ケアマネージャーや介護福祉士を目指しましょう。
スキルアップする
介護職としてスキルアップしたい場合、資格取得以外にも研修を受講するという手段があります。
介護職員初任者研修や吸痰吸引等研修は受講資格が必要ない研修ですので、無資格からのスキルアップにおすすめです。知識やスキルを身につけるきっかけになるでしょう。
介護福祉士やケアマネージャーなどの資格を取得してスキルアップを目指す場合、将来のキャリアを想定して取得する資格を検討してください。
スキルアップには明確な目標設定が必要ですので、現在持っている知識やスキルなどを自己評価し、期間を設定して具体的な行動に移していくのが重要です。
転職する
今の職場での将来性が乏しいと感じているなら、転職するのもひとつの手です。
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複数の介護施設に勤めることで実務経験を積み、技術の向上や対処方法の取得などスキルアップを図れます。
おすすめの介護派遣サービスを詳しく紹介していきます。
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介護職の今後の給料は自分の行動次第で上げられる
介護職の給与を決める要因は、勤務形態や年齢、資格を取得しているかなどさまざまです。
2024年度にある介護報酬改定でも介護職の待遇改善を国は一貫して打ち出しており、給料は上がっていく可能性が高いです。
介護職は人手不足が深刻で、高齢化が進む現代において需要の高い仕事のひとつであり、処遇改善は進んでいくのではないでしょうか。
現職場の給与に満足していない、今すぐ給与を上げたい、そのように感じている方はぜひ転職を視野に入れて行動に移しましょう。
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