2024/10/29

【体験談】介護職の人間関係で悩みが多いのはなぜ?理由と具体的解決方法も解説

介護に関する悩み

「介護の仕事を続けているけれど、同僚とうまくいかない」   
「今の職場で働き続けたいから、解決方法を知りたい」

介護の職場は人間関係で悩む方が少なくありません。利用者や家族、同僚などかかわる人も多く、介護業務自体も人手不足が続いているため、精神的に余裕がなく人間関係が悪化しやすくなります。そこで本記事では、介護職の人間関係が悪くなる理由や良くある悩み、解決方法について解説します。

今の職場での人間関係を改善したいけれど、どうしたら良いのかわからないと悩んでいる方は、参考にしてください。

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介護職の人間関係が悪くなる理由

介護職の人間関係が悪くなる理由

介護職の人間関係が悪くなる理由は、下記の7つがあげられます。

  • 年齢や経験などが異なる
  • 業務量が多く心に余裕がない
  • かかわる人が多い
  • 職員の入れ替わりが少ない
  • 職員の教育が足りない
  • 業務負担がかたよる
  • リーダーシップや管理不足になっている

人間関係が悪くなる要因はひとつだけでなく複数が絡み合っていることもあります。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
人間関係が悪くなる理由について、詳しく解説していきます。

年齢や経験などが異なる

介護職は、高校卒業したばかりの10代から60代以上の方まで、幅広い年齢層が働いています。それぞれの人生経験や生きてきた時代の違いが価値観に影響を与えています。介助の方法や介護に対する考え方にも違いが生まれ、ときには職場での衝突もあるでしょう。

重労働の介助は若い職員に振られがちです。年齢が上の介護職になると、オムツ交換や入浴介助など身体的負担の大きい介助を避ける方もいます。

介護の仕事はチームワークが重要であり、お互いの協力がないと仕事を進められません。人間関係がうまくいかないと、利用者にとっての良い介護が難しくなります。

業務量が多く心に余裕がない

介護業界は長期に渡って人手不足の状態が続いています。業務が忙しいと自分のことで精一杯になり、他者の気持ちを思いやる余裕がなくなることがあります。コミュニケーションも上手にとれなくなり、イライラや感情的になってしまう状態も多いでしょう。

人手不足の中でも、入浴介助や食事介助などは時間内に終わらせないといけないので、ピリピリとした緊張感に包まれている場合もあります。心に余裕がないため言葉遣いが荒くなり、他者に気遣いができなくなってしまうでしょう。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
このような状態が続くと、介護事故を起こす可能性も高くなり注意が必要です。

かかわる人が多い

介護の仕事は、かかわる人も多くなります。利用者や家族、職場の同僚などさまざまです。かかわる人が多くなれば苦手な人と一緒に仕事をする場面も多くなるでしょう。

在宅で生活している利用者の支援の場合、主治医や訪問看護師、デイサービスなどさまざまな業種でチームを組んで仕事をします。それぞれ基礎資格や経験値なども違い、異なった意見が出ることも多いです。中には自分の意見を強引に通そうとする人もいます。

利用者自身も、いつも感謝してくれる方ばかりではありません。介護を拒否する方や暴言を吐く場合もあります。認知症の利用者に叩かれることもあるでしょう。病気が行動を引き起こしているとわかっていても、ストレスを感じてしまいます。

介護職はさまざまな人たちとかかわる必要があるため、自分と考えが合わない人と出会う確率も高くなります。

職員の入れ替わりが少ない

介護業界は異動が少ない職場も多いです。小規模な事業所では人事異動が少なく、同じ人間関係が長く続く傾向があります。その結果、先輩職員に対して意見がいいにくい場合も多く、新しい意見やアイデアが導入されづらい状況です。

さらに、新しく入ってきた新人職員が居心地の悪さを感じることもあります。閉鎖的な職場は、新人が自分の意見を出しづらく受け入れられにくい環境になりやすいです。

職員の教育が足りない

教育が不足したまま介護の現場で働くと、不安が常につきまといます。日々の業務に追われながらも自分の判断が正しいのか疑問を抱え、次第に精神的なストレスが溜まっていくばかりです。

質問をしようとしても「また聞くの?」という冷たい反応や、無言の圧力を感じる職場では、質問すらためらってしまいます。次第に職場に対する不信感が募り、仕事自体が辛くなってしまいます。

業務負担がかたよる

介護の現場では、職員の経験や能力、性格によって業務の負担がかたよる場合は少なくありません。一部のスタッフに仕事が集中し、いつも同じ人が忙しく働いている状況を見たことがあるのではないでしょうか?

過剰な業務を任された職員は、次第にストレスが溜まり、ほかの職員との間に不満が生まれてしまいます。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
職場内での摩擦が増え人間関係はギクシャクし始め、チームワークにも悪影響を及ぼす場合が多いです。

リーダーシップや管理不足になっている

現場のリーダーや管理者が適切にスタッフを指導・サポートできていないと、職場にさまざまな問題が浮き彫りになります。小さな人間関係のトラブルが見過ごされ、やがて大きな不満へと発展してしまうケースも多いです。

問題が解決されないまま放置されれば、スタッフ同士の不満はどんどん積もり、やがてチーム全体の雰囲気が悪化します。仲間との信頼関係が崩れると、仕事に対するやりがいを感じられなくなり、職場の士気も低下してしまいます。

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【データで見る】人間関係に悩む介護職の割合

介護職が人間関係に悩んでいる状況は、厚生労働省や企業の調査からデータとして判明しています。数字をあげて解説します。

人間関係

厚生労働省の調査によると、介護職員の離職理由で最も多いのが「職場の人間関係に不満があった」というもので、割合は23.9%にも上ります。介護の現場では、業務そのものよりも人間関係のストレスに悩む人が非常に多く見られます。


退職時に「人間関係が原因です」とはっきり言わず、黙って辞めていく人も多いです。退職する際に余計なトラブルを起こしたくない、最後くらいは波風を立てずに去りたいという思いがあるためです。次の職場でも同じ悩みを抱えてしまうような悪循環に陥らないためにも、職場選びが重要になります。

参考:介護労働者の雇用管理の状況について|厚生労働省

離職率

厚生労働省が公表している全産業の離職率は15.0%、「医療・福祉」分野全体では15.3%です。

データからもわかるように、介護職だけが離職率の高い職種ではありません。介護の現場では業務の負担や人間関係が原因で辞めてしまう人もいますが、それはどの業界でも見られます。介護職はほかの職種と比べても大きな差はありません

介護の現場では、人材不足が問題となっています。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
一人ひとりの職員が感じる負担は大きく、離職を考えるケースが目立つ状況です。

参考:令和4年 雇用動向調査結果の概要|厚生労働省

【体験談】介護職の人間関係でよくある悩み

介護職の人間関係の悩みは多くの人が抱えている問題です。2020年に介護職を離職した人の理由を調査してみると、46.6%が「職場の人間関係」が原因だったことがわかりました。介護職の人間関係でよくある悩みを、体験談も交えて4つ解説します。

  • 職場の雰囲気になじめない
  • 上司と合わない
  • 利用者と合わない
  • 利用者や家族と合わない

出典:PR TIMES【介護職の離職に関する実態調査2020】|TSグループ

職場の雰囲気になじめない

新人の時代や異動後の状況では、先輩職員とのコミュニケーションの中に入るのが難しく、会話の参加に躊躇してしまう場合も多いです。食事をしようとして食堂にいった際に、みんなの話が急に止まったときには、自分のことを話していたのでは?と不安になるでしょう。いじめとはならなくても、簡単な仕事しか任せてもらえない状況も多く見られます。

一部の人におばさんとも呼ばれるベテラン職員は簡単な仕事を選んで行い、オムツ交換や体位交換など重労働をほかの職員に押し付ける場合があります。上司に相談しても人手不足で辞められては困るため、強く指導ができない状況です。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
新人職員や異動してきたばかりの状態だと、なかなか職場の雰囲気になじめないことも多くみられます。

上司と合わない

上司との関係が合わないことも良くある悩みです。現場の状況を理解していない上司の場合、実現できそうもない理想を語り現場に押し付けてくることがあります。「困ったことがあったら手伝うからいってね」という割には実際には動かず、自ら現場を知ろうとすることも少ないです。

介護現場を改善しようとして、異業種から転職してくる方も増えてきました。前職の経験を活かして改善しようとしますが、現場を知らないため介護職員たちと溝ができている状態も多くみられます。

利用者にもさまざまな方がいます。「いつもありがとう」と感謝の気持ちを表してくれる利用者がいれば、介助してくれて当たり前と思っている方もいます。中にはいつも機嫌が悪い様子の利用者もおり、介護職員にとっては近寄りがたい状況でしょう。

認知症のある利用者の場合、暴言を吐いたり暴力的な行動をとったりすることもあります。筆者も施設勤務のときに、認知症の利用者に杖で殴られそうになったことがありました。認知症による行動だとわかっていても、常にこのような状況になっていると大きなストレスとなります。

利用者や家族と合わない

介護職は利用者の家族とかかわる場面も多くあります。訪問介護では、利用者と家族の仲が最悪の状態の場合は、訪問ヘルパーが訪問しても対応が悪いことがあります。

筆者の体験談になりますが、介護放棄状態だった利用者の自宅に訪問した際のできごとです。洗濯するために洗濯機のふたを開けたところ、家族の洗濯物が入っていました。洗濯機のコンセントは抜かれている場合がほとんどです。部屋の掃除をするために掃除機を使おうと思ったら隠されていたこともありました。

このような対応をされるとストレスも溜まっていき、精神的な負担も大きくなります。

 

介護職の人間関係を良好にするためのコツ

ここまで介護職の人間関係の悩みについて説明していきました。介護職の人間関係の改善や良好にするコツはあるのでしょうか。下記6つのポイントについて解説します。

  • 同僚や上司とコミュニケーションを積極的にとる
  • 働く目的を再確認する
  • 自分の考えを変える
  • 悪口に同調しない
  • 感謝の気持ちを伝える
  • 相手の考えを尊重する

同僚や上司とコミュニケーションを積極的にとる

人間関係の問題が起きたら、同僚や上司に相談すると良いでしょう。一人で問題を抱え込んでしまうと、気持ちが暗くなり精神的に負担が増してしまう可能性があります。

話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になる場合もあります。他者の意見や経験を聞くことで、新しい視点が発見できたり問題解決のヒントが見つかったりするかもしれません。

上司も介護職員に退職されると困ってしまいます。そのため、配置転換で別の部署や近隣の施設に異動を検討してくれる可能性もあります。

働く目的を再確認する

職場で人間関係の問題が起こると、ストレスや不安が仕事へのモチベーションに影響を及ぼすことがあります。そんなときは、自分がなぜ介護職を選んだのか振り返ると、そのときの気持ちを思い出せます。

たとえば、高齢者とかかわる仕事がしたい、自宅での生活を支援したいと言うような理由があったのではないでしょうか。一旦原点に立ち返ると、日々の業務への情熱をとり戻せるかもしれません。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
目的を再確認することで、同僚は「同じ意思を持って働いている仲間」となって人間関係が改善する可能性もあります。

自分の考え方を変える

職場での人間関係を良好に保つために、自分の考え方を変えてみましょう。意見の合わない人がいる場合、相手の考え方を変えるのは難しいです。その人はそういう考え方をする人と認識し、否定せずに異なる意見を認めることが大切です。

相手の意見を受け止め、自分の考え方との妥協点を見つけていきます。必ずしもすべての人と完全にわかり合えることはなく、意見の不一致があるのは自然な状態です。

悪口に同調しない

職場で数人が集まると、誰かの悪口が飛び交う場面に出くわす場面があります。悪口に同調するのは危険な行為です。

何気なく同調してしまったとしても、言葉が「自分が言ったこと」として広まってしまう可能性があります。職場の人間関係に悪影響を与え、信頼を失うことになりかねません。

耳にしても、あえて聞き流すようにしましょう。悪口に同調せず、どの職員にも平等に接すると、自分自身が職場で信頼される存在になります。信頼関係の構築は、長期的に見て大切です。

公平な態度で接すると周囲からも一目置かれる存在になり、より働きやすい環境が作れます。

感謝の気持ちを伝える

「感謝の気持ち」を伝える行為は、職場での人間関係をより良くするための大切な一歩です。

少し苦手だなと感じている人であっても、感謝の言葉を伝えると、意外にも関係が改善される場合はあります。相手に感謝の気持ちを伝えると、お互いに良いコミュニケーションが生まれ、職場の雰囲気もより良くなるはずです。

周りが困っているときには、積極的に手伝うようにしましょう。小さな助け合いが積み重なると、職場全体に信頼感と協力の精神が広がっていきます。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
「ありがとう」の積み重ねが、大きな影響をもたらすかもしれません。

相手の考えを尊重する

介護の現場では、さまざまな職種の職員と一緒に働くケースが多いです。仕事に対する意見が食い違う場合もあり、強い口調で自分の考えを主張してくる人もいるでしょう。

大切なのは、相手の考えを尊重する気持ちです。まずは、相手の主張をしっかりと聞きましょう。そのうえで、自分の意見を冷静に伝えるように心がけることがポイントです。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
相手の意見を頭ごなしに否定せず、あくまで前向きな姿勢で話し合いを進めると、職場の雰囲気も良くなり、信頼関係が深まります。

人間関係が良いとされる介護施設の特徴

介護施設を選ぶ際は、職員同士の人間関係が良好かどうか確認が重要です。職員同士が挨拶や会話を交わしているか、笑顔で仕事をしているかを観察しましょう。

スタッフだけでなく利用者も笑顔が多い施設は、コミュニケーションも円滑で働きやすい環境が整っています。年齢層が偏らず、介護ロボットが導入されている施設では業務負担が軽減され、スタッフが余裕を持って働けるため、人間関係も良好な場合が多いです。

希望日に休みを取りやすい施設も、助け合いができる職場環境と言えます。

どうしても介護職の人間関係で悩むなら転職もおすすめ

どうしても介護職の人間関係で悩むなら転職もおすすめ

さまざまな手段を試してみても、人間関係が改善しない場合もあります。それどころか最悪な状況になってしまうこともあるでしょう。いくら利用者のために仕事をしているとはいえ、職場にいくのもつらいと感じているなら早急に対策する必要があります。

無理に働き続けると精神的にバランスを崩してしまう可能性があるため、限界が来る前に転職するのもひとつの方法です。転職すれば職場や人間関係が新しくなり、気持ちも切り替えて再スタートできるでしょう。

転職するなら介護派遣がおすすめです。介護派遣のホップは、働き方や人間関係で悩んだときに相談できたり、フォローしてもらえたりするのが強みです。悩んでいるときには、誰かに話を聞いてもらうだけでもすっきりと気持ちが楽になる場合があり、解決につながることもあります。

福利厚生では、勤務時間に応じてポイントが付き現金で還元されます。ランクアップ制度もあり、会社の制度でいうところのボーナスや昇給に匹敵するような待遇を設定しているのが魅力です。

人間関係の悩みが出たときにも解決しやすく、仕事へのモチベーションも保ちたいと考えているなら、ホップに登録してみてください。

介護職の人間関係に関するQ&A

人間関係がストレスになる主な理由は?

介護職の人間関係がストレスになる理由は、業務負担の偏りやコミュニケーション不足が挙げられます。忙しい現場では意思疎通が不十分になり、誤解や対立が生じやすい状況です。

スタッフ間で価値観や介助の方法が異なる場合も、意見の衝突を招きます。利用者や家族とのコミュニケーションも、職場でのストレスに拍車をかける要因となっています。

介護職の給料は上がるの?

介護職の給料は近年、政府の介護報酬改定や人材確保の取り組みによって徐々に上昇傾向にあります。介護職員の待遇改善を目的とした「処遇改善加算」といった制度が設けられており、介護職員の給料は一定の水準で引き上げられている状況です。

給料の上がり方は施設によって異なり、職種や経験年数によっても差があります。全体的には改善の動きは見られますが、ほかの業界と比べると依然として給与水準が低いという声も聞かれます。

介護職の人間関係は自分だけで悩まない!

ここまで介護職の人間関係が悪くなる理由を解説してきました。介護職は多くの人とかかわるために、必然的に人間関係に悩まされてしまいます。多くの介護職が忙しくて心に余裕がないのも原因です。

人間関係に悩んだら、まずは上司や同僚に相談するのが良いでしょう。それでも改善しない場合は、転職を考えてみるのもひとつの方法です。年齢を重ねた段階での転職を検討している場合、介護派遣も視野に入れてみてください。

人間関係が悪化してしまった場合でも、定期的に職場を変えられるため我慢しなくて済みます。

記事監修者:長谷部宏依
長谷部宏依(はせべひろえ)
さまざまな情報を収集して、自分に合った働き方を見つけましょう。

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この記事は「コンテンツ制作ポリシー」に沿って執筆しています。

 

著者情報 / 監修者情報

長谷部宏依(はせべひろえ)
介護職員として介護老人保健施設に入職。 その後介護福祉士を取得し訪問介護や訪問入浴、デイサービスで働く。 ケアマネジャーは20年の実績があり、100名以上の高齢者を担当。 認認介護や老老介護、介護拒否など困難事例も多く経験。 現在はWebライターとして介護記事を中心に執筆している。