「60歳を過ぎたけどいつまで働ける?」
「介護職にも定年はあるのか知りたい!」
60歳を過ぎても働けるのかと不安を感じている方は多いです。
介護現場では人材不足が深刻で、年齢を問わず元気に働ける人材を求めています。
本記事では、60歳を過ぎても介護職として働く方法やメリット、注意点、ポイントについて詳しく紹介します。
「もう少しで60歳を迎えるけど、その先はどのように働けばいいのか」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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【結論】60歳を過ぎたシニア世代も介護職として働ける
原則、介護職になるための年齢制限はありません。介護現場では人材が不足しており、60歳を過ぎたシニア世代でも、元気な方は介護職として働ける可能性が高いです。
また、後述しますが、施設によっては60歳を超えてもそのまま働ける可能性もあります。
厚生労働省によると、必要とされる介護職員数は2025年には約243万人、2040年には約280万人とされています。(出典:厚生労働省 介護人材確保に向けた取組)
人生100年時代と言われている現代において、まだまだ元気に働けるシニア世代は活躍の機会が十分あると言えます。。
ただし、30代や40歳の時と比較すると体力が落ちているため、意識して状況に合った働き方を選択しましょう。
【60歳まで?】介護職は何歳まで働けるのか
介護職の定年退職は「正社員」のみ適用されます。パートやアルバイト、派遣などの非正規雇用では定年の年齢については定められていません。
長年正社員として勤務して、定年退職後に非正規雇用社員になり働き方を変える方もいます。元気なら何歳でも働けるのが介護職の良さと言えます。。
正社員の場合は定年が主に60歳
では、正社員で働く場合、定年はいくつなのでしょうか。
介護業界で「60歳を定年」として定めている施設は35.3%です。
(参照:介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査事業所における介護労働実態調査結果報告書」)
65歳以上を定年としている施設は34.3%で、60歳で定年という施設は意外と少ないです。。
65歳以上でも正社員として働ける場合もある
前述した調査のとおり定年なしが18%、65歳以上の定年は34.3%と、65歳以上でも正社員として働ける場所は50%以上あります。
施設が10つあればそのうちの5つは65歳以上で定年になる、という施設が多いです。想像していたよりも「正社員として長く働ける」と感じられます。
まずは、所属している施設の定年を把握しておきましょう。その上で正社員として勤務を続けたい場合は、高齢人材を積極的に採用している施設に転職する、という方法もひとつです。
70歳以上も「再雇用制度」の利用で働ける
2021年の高齢者雇用安定法の改正により、70歳までの就業機会の確保が努力義務となりました。
参考:厚生労働省「高齢者雇用安定法の改正〜70歳までの就業機会確保〜」
前述した調査によると、定年後の雇用上限の年齢は「特に定めていない」ケースが47.8%と多いです。再雇用の条件は職場により異なるため、事前に「再雇用制度」に目を通して、70歳以上でも働けるかどうかを確認しておきましょう。
定年後にパートや派遣社員という働き方で再雇用されると、正社員より無理のない働き方を選択できる可能性があります。
60歳を過ぎても介護職を続ける方法
60歳以上のシニア世代が介護職を続けるためにはどうすればいいのでしょうか。長く働き続けるためには、2つのポイントを押さえて職場を選びましょう。
- 定年が60歳以上の施設を選ぶ
- 転職する
それぞれ詳しく解説します。
定年が60歳以上の施設を選ぶ
全体の56.1%の施設が「定年が60歳以上」と答えており、みなさんが想像しているよりも長く働ける可能性が高いです。
参照:介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査事業所における介護労働実態調査結果報告書」
また、施設によって定年にも特徴があると覚えておきましょう。入所型の施設の55.6%が「60歳までの定年を定めている」と答える一方で、居住介護支援は「定年なし」が40.1%と多くなっています。
転職する
長期雇用の観点で、高齢人材を採用している施設に転職する方法があります。転職の際には、積極的に60歳以上を採用する内容の求人が取り扱われているか確認しましょう。
「この年齢で転職するのは難しい」と感じても、今までのキャリアや介護職への意欲をアピールすれば、年齢を重ねてからの転職は十分可能です。
60歳を過ぎても介護職で働く5つのメリット
60歳を過ぎた方が介護職で働く場合、若い世代とは違った視点や強みを活かして働くことが可能です。仕事を通して以下のさまざまなメリットが得られます。
- 利用者さんと年齢が近い
- 介護の知識や技術が身に付く
- 40〜60代の職員が多い
- 家族の介護に活かせる
- 社会とのつながりを持てる
それぞれ詳しく解説していきます。
利用者さんと年齢が近い
介護サービスを利用している利用者さんと年齢が近いため、コミュニケーションが取りやすいです。共通の話題や認識を持っている場合が多いため、「懐かしい」と感じる話を自然とできます。
利用者さんにも喜ばれることも多く、お互い親近感が湧くと日頃の介護もスムーズに行えます。自身の仕事や子育て、親の介護などの人生経験を活かしてください。
介護の知識や技術が身に付く
介護現場での身体介護方法を学べるのはもちろん、介護保険制度などを詳しく知る機会になります。実際の介護現場の様子も見れるので、今後介護を控えている世代にとってメリットです。
介護職として働いていると、親しい人に介護に関するアドバイスをする機会もあるでしょう。
40〜60代の職員が多い
介護職の年齢は6割以上が40歳以上で、ミドルからシニア世代が多いです。
参考:介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」
世代の近い職員が多いため、職場の雰囲気に溶け込みやすく、仕事の話や相談がしやすい環境と言えます。協力する場面が多い介護職にとって職場に馴染めるかどうかはとても重要です。
定年してから介護職として働く人も多く、年齢を気にせず働ける点がメリットです。
家族の介護に活かせる
介護職として働くと、オムツ交換やトイレ、食事介助など、介護技術全般が身に付きます。家族が介護を必要とする状態になった場合も、経験を活かして介護が可能です。
実際に介護サービスを利用する側になっても、どのようなサービスが提供されているかを把握しているため、安心して利用できます。介護に関わる申請なども冷静に行えるメリットがあります。
社会とのつながりを持てる
60歳を過ぎて仕事を辞めてしまうと、社会とのつながりが希薄になります。介護職は利用者さんや職員とのコミュニケーションが欠かせない仕事です。
介護職を続けることで自分自身も社会的なつながりを持ち、心身ともに健康的に生きられます。
60歳を過ぎて介護職で働く際の注意点
60歳を過ぎて働く場合、若いときと比較して注意しなければいけない点がいくつかあります。以下の点に注意しておけば、年齢関係なく働くことが可能です。
- 体力や身体的な負担を考慮する
- 覚えることが多い
- 給与が下がる可能性がある
それぞれ詳しく解説します。
体力や身体的な負担を考慮する
まずは、60歳を過ぎてくると体が疲れやすくなっている点を考慮しましょう。
身体介護を伴う職場が多い施設の場合、利用者さんの体を支えたり、施設内を歩き回ったりする頻度が増えます。夜勤があると生活リズムが乱れやすいため注意が必要です。
より長く働きたい場合は、自分の体力に合った介護ができる職場を選択するために転職も視野に入れましょう。
覚えることが多い
介護職として現場で働くために、1日のスケジュールや介助方法、利用者さんの情報など覚えることは多岐にわたります。未経験で介護職として働く場合、すべての業務を覚えるだけでも大変です。
覚えることが大変なのは、年齢に関係ありません。
給与が下がる可能性がある
未経験で介護職として働く場合は、前職よりも給与が下がる可能性が高いです。正社員や非正規など雇用形態によっても待遇は大きく変わる可能性があります。
もし60歳過ぎてからでも給与をアップしたいと考えている場合は、資格取得や夜勤専従などを検討しましょう。まずは稼ぐ目標金額を明確にしておくことが重要です。
60歳を過ぎて介護職で働くときのポイント
60歳を過ぎても介護職として働きたいなら、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 謙虚な姿勢で取り組む
- パソコンやスマホ、タブレットの操作を覚える
- 介護資格を取得する
それぞれ解説するので、確認してください。
謙虚な姿勢で取り組む
60歳を過ぎて転職すると、周りのスタッフが自分よりも年下かもしれません。上司や先輩も年下の可能性が高いです。
今までの年功序列の考え方に囚われ過ぎず、謙虚な姿勢で働くことが大事です。アドバイスや指摘を素直に受け入れて、介護に活かしましょう。
チームとして働きやすい雰囲気を作るために、謙虚な姿勢が必要です。
パソコンやスマホ、タブレットの操作を覚える
介護現場では、記録を残しておくために、電子機器全般を取り扱う可能性があります。普段パソコンやスマホ、タブレットを使い慣れていない人は、覚えることが大変と感じるかもしれません。
使うことで徐々に慣れていくので、「苦手だから」と消極的にならず、周りのスタッフに教えてもらいましょう。
介護資格を取得する
介護職として長く働きたいと考えている場合、介護現場で活かせる資格を取得しましょう。
実際の介護現場でスキルを活かし、職場には意欲をアピールできる機会になります。給与のアップにつながる資格もあるので、介護資格の取得は大きなメリットです。
スキル以外にも身につけるべき知識や研修もあるので、下記記事を参考にしてください。
60歳を過ぎても介護職を続けたいなら介護派遣のホップがおすすめ
60歳を過ぎても介護職を続けたい方には「介護派遣のホップ」がおすすめです。
介護派遣のホップは、コーディネーターが介護職経験者のため具体的なアドバイスや提案が可能です。仕事探しから転職後のサポートまで行うなどサービスも充実しています。
「60歳以上でも積極採用」の条件を出している転職先を紹介することも可能ですので、ご安心ください。
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60歳を過ぎた介護職に関するQ&A
60歳を過ぎた介護職に関する疑問について答えていきます。
- 「60歳以上&未経験」でも介護職に就ける?
- 60代でも介護福祉士の資格は取れる?
- 夜勤は体に悪い?続けられる?
それぞれ詳しく説明していきます。
「60歳以上&未経験」でも介護職に就ける?
介護職は健康であれば年齢を問わない仕事で、未経験からはじめる方が多い仕事の1つです。
高齢化社会において介護のニーズは増す一方で、人材不足が深刻とされている業界になります。
60歳以上の求人の数も年々増えており、セカンドキャリアとして介護業界を選ぶ方も多いです。施設によっては定年がない職場もあるため、働き方を工夫すれば、生涯現役で働ける可能性もあります。
60代でも介護福祉士の資格は取れる?
「介護福祉士」の資格に年齢制限はないため、60代でも取得が可能です。「第35回介護福祉士国家試験合格発表」によると、61歳以上で国家資格である「介護福祉士」を取得したのは、2,782人(全体の4.2%)でした。
介護福祉士の資格取得のためには養成施設に通う、もしくは実務経験を積み「介護福祉士実務者研修」を終了させるという方法があります。
夜勤は体に悪い?続けられる?
一概に、夜勤が体に悪いとは言い切れません。
もちろん、30代や40代のころと比較して体力はどうしても落ちるため、ご自身の状況に合わせた働き方が必要となります。しかし、年齢を重ねていてもまだまだ元気に働ける人も多く、「夜勤が悪い」と決めつけるのは時期尚早です。
正社員の場合、夜勤回数は事前に定められていますが、パートや派遣であれば調整することは可能です。自分の体調を確認しつつ、「週何回まで夜勤が可能か」「夜勤専従でも働けるのか」など検討してください。
夜勤専従で働きたいと考えている方は、こちらも参考にしてください。
介護職なら60歳を過ぎたシニアでも働き続けられる!
介護職は、2024年3月までは未経験でもはじめられる仕事です。健康状態に問題がなく、体力が続けば60歳を過ぎたシニアでも活躍できます。
定年が定められている施設もありますが、「定年が65歳以上」という施設が半数以上です。正社員として長く勤められる可能性も十分にあるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
なお、60歳を過ぎても長く働きたい場合は、定年が60歳以上の施設や希望の働き方ができる職場への転職を視野に入れて行動してみましょう。
たとえば、介護派遣のホップなら「60歳以上でも積極採用」の条件を出している転職先の紹介が可能です。求職者の希望にあった施設を探し、そのご提案ももちろんできます。
コーディネーターが介護職経験者のため、転職に関する具体的なアドバイスや提案も可能です。